がん情報センター

膵・胆管・胆のうがん

膵臓がん・胆管がん・胆のうがんとは

消化酵素の一つである胆汁は、肝臓で産生され胆管という輸送路を通って十二指腸へ分泌されます。 胆管の途中には胆のうが繋がっており、また胆管は一部膵臓内を貫いて十二指腸へ到達します。

従って、膵臓、胆管、胆のうは解剖学的に非常に密接しており腫瘍の進展範囲や、また外科切除を考慮する場合、常に一括りに考えなければいけない領域になっています。

膵臓がん

膵臓がんは非常に予後が悪い疾患として知られています。治癒のためには完全切除しかありませんが、発見時には既に手術できないほど進展していることが多く、切除できるのは半分ほどしかありません。

症状が出にくいため発見が遅れ、早期で見つかることがほとんど無いからです。また血管やリンパ管が豊富であることもがんが広がりやすい原因になっています。

胆管がん

膵臓がんと同様で早期発見は難しいです。ほとんどは胆管閉塞による黄疸症状でみつかります。 また肝臓や膵臓に繋がっているため広範囲に広がりやすく、切除を難しくさせています。

胆のうがん

胆のうがんの場合、同時に胆石を合併していることがあります。胆石の治療で胆のうを切除したときに、たまたま早期の胆のうがんが見つかることがあり、その場合の予後は良好です。 しかしいったん進行するとそのスピードは早く、また切除以外の有効な治療がないことから進展を止めることがほとんどできません。

消化器内科における膵臓がん・胆管がん・胆のうがんの診断と治療の方針

当院では膵臓がんや胆管がん、胆のうがんの診断は CT、MRI、腹部エコー、超音波内視鏡、内視鏡的逆行性胆管膵管造影などで行なっています。特に膵臓がんについては確定診断のために積極的に超音波内視鏡下穿刺吸引生検をおこなっています。 また精査のために PET-CT を活用しています。

治療として「膵癌診療ガイドライン 2013 年版」に沿った形で進めています。 その上で治療方針の決定は個々の症例においてインフォームド・コンセントに基づいて行います。

消化器外科における膵臓がん・胆管がん・胆のうがんの診断と治療の方針

治療の原則は腫瘍の完全切除です。しかしながら発見時ほとんどが進行がんであり、手術をしても再発率は高いです。 従って治療成績を良くするためには手術だけでなく抗癌剤や放射線治療、免疫療法などを組み合わせた集学的治療が必要です。 ただし胆管がん・胆のうがんには放射線はあまり有効でなく、胆のうがんにいたっては効果的な抗癌剤もありません。

膵臓がん

膵頭部領域のがんであれば膵頭十二指腸切除が標準の手術となります。 これは膵頭部、十二指腸、胆管、胆のうを切除し、その後消化管、胆管、膵管を再建するもので長時間を要し、腹部手術の中では最も難易度の高い手術の一つです。 近傍の大血管に浸潤していれば血管の合併切除再建が必要になることもあります。 一方膵体部あるいは膵尾部に位置するがんであれば(脾臓合併)膵体尾部切除が行われますが、比較的侵襲は軽くなります。

胆管がん

胆管がんの場合、腫瘍が肝臓側か膵臓側かで術式が異なります。 肝臓に近ければ肝切除を行いますし、膵臓に近ければ膵頭十二指腸切除術になります。また中間の胆管だけに限局していれば肝外胆管切除ですむ場合もあります。

胆のうがん

胆のうがんの場合は、早期であれば胆のうだけの摘出になりますが進行していれば胆管がん同様、肝臓や膵頭部切除を行う必要があります。

膵臓がん・胆管がん・胆のうがんに関するトピックス

膵臓がんに対する化学療法

最近膵臓がんに対して有効な抗癌剤がいくつか登場しています。4剤併用したFORFIRINOX 療法は、進行・再発膵癌の予後延長効果を認めています。
またゲムシタビン(GEM)+アブラキサン(nabPTX)療法は最も新しい治療法ですが、副作用も比較的軽度でその効果も期待されています。

さらに根治切除後に TS-1 を予防的に内服することで再発率が低下するというデータも示されており、少しずつ膵臓がん治療にも進展が見られています。

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