診療科のご案内

Speciality Care Clinics

心臓血管外科について

ご紹介

当科では冠動脈バイパス術は患者様にとっての侵襲が少ない「心拍動下冠動脈バイパス術」を100%完遂しており、移植血管の開存率は96.9%と良好です。また2015年より胸骨を温存し術直後より早期社会活動復帰が可能な「低侵襲冠動脈バイパス術:MICS CABG」を開始し良好な治療結果を提供しております。僧帽弁閉鎖不全症に対しては自分の弁をうまく形成して人工弁を使用しない「形成術」を積極的に行い成功率 97.2%です。大動脈瘤に対しては患者様の体にとって負担の少ない「ステントグラフト挿入術」も施行可能であり、手術時間1-2時間、入院期間1週間を実現しております。

新着のお知らせ

  • 2019/1/17

    「疾患別治療結果」のa)虚血性心疾患のデータを更新しました

  • 2019/1/16

    「80歳以上の高齢患者様に対する心臓胸部大血管手術治療の結果」および「透析患者様に対する心臓胸部大血管手術治療の結果」のデータを更新しました

  • 2019/1/15

    「疾患別治療結果」のb)心臓弁膜症およびC)胸部大動脈瘤に関するデータを更新しました

  • 2018/10/31

    「疾患別治療結果」のC)胸部大動脈瘤についてデータを更新いたしました

  • 2018/8/27

    「9月より下肢静脈瘤に対する治療を再開いたします。「当科で扱う疾患について」を更新いたしました

  • 2018/7/18

    「透析患者様に対する心臓胸部大血管手術の治療結果」を更新いたしました

心臓血管外科の医師について

豊見城中央病院の心臓血管外科医師についてご紹介いたします。

当科の目指す心臓血管外科治療

(1)原疾患に対する根治術
患者様が体力的、気力的に手術を乗り越えられるラインを見極め、安全域での根治術を心がけています。我々が対象とする疾患は機能回復目的の心臓血管修復や破裂回避目的の人工血管置換がほとんどですから治療目的は「根治」です。妥協なき「根治術」を目指します。

(2)術後ADL(Activities of Daily Living)を落とさない周術期管理
ADLは、一般的には『日常生活動作』と訳されます。日常生活を営む上で、普通に行っている行為、行動のことです。我々は入念な術前検査による全身評価と、術後の体力を早期に回復させるために手術翌日からの早期心臓血管リハビリを積極的に行っており、術後2週間以内の自宅退院を目指しております。

(3)危機的状態にある患者様の救命
循環破綻した患者様にとって外科的な緊急手術でしか救命することができない状況があります。全患者様の約2割がそのような状況で来院され、緊急手術となっております。現在までのところ全患者様を救命し社会復帰することができました。これは我々の使命でもありますので全力を尽くし今後も対応したいと思います。

当院における術後心臓リハビリ

手術後は心臓専門のリハビリスタッフによる安全で速やかな心臓リハビリを行うことが重要となります。心臓リハビリでは早めに体力を回復することと、術後に起きるかも知れない様々な合併症を予防することが目的となります。従って心臓手術後1日目からベッドから起きる、立つ、歩くといった内容のリハビリを行います。「そんなに早くリハビリを行って大丈夫?」とのご質問もお受け致しますが、心臓専門のリハビリスタッフが心臓外科医や看護師と 常に連携をとりながら心臓リハビリを行っていますので是非ご安心下さい。今まで「歩くと胸が苦しくなった」「動くと胸が痛くなるから孫と散歩も出来ない」と仰っていた患者様から、手術後は心臓が良くなったことで「歩いても胸が苦しくない」「孫と買い物に行ける」といった声をお聞きする事があります。このように心臓外科手術後の患者様の生活の楽しみが広がることが私たち心臓リハビリスタッフの目指すことと考えています。

当院の治療成績

手術成績
心臓・胸部大動脈瘤手術数 手術脂肪 心臓・胸部大動脈瘤手術における術ば抜管率 治療内容の客観的評価 前回心術におけるMICS比率

低侵襲心臓外科手術(以下MICS: Minimally invasive cardiac surgery)を2015年より当科では開始しております。2019年1月時点では、1) 左側胸部小切開による冠動脈バイパス術、2) 胸骨下部部分切開による大動脈弁位手術、3) 右側胸部小切開による大動脈弁位手術、を主に行っております。2019年より僧帽弁に対するMICSも開始しております。上記手術の1)と3)に関しては、胸骨および肋骨を全く切開・離断しませんので術後の上半身の運動制限はありません。術後10日前後での退院となり、運動制限のない手術ですから患者様にとっての恩恵は非常に大きいと感じております。
2018年は20名の患者様にMICSを施行させていただきました。全開心術の15.6%となります。あわせて当科では胸部および腹部大動脈瘤に対するステントグラフト治療も積極的に導入・施行しております。術後運動制限を最小限とし、早期社会復帰が可能となるMICSを今後も提供させていただきます。

疾患別治療結果

2011年5月より2018年12月まで835名

a)虚血性心疾患(266名)2011年5月から2018年12月

当院における単独冠動脈バイパスは開設以来、心拍動下冠動脈バイパス術(OPCAB)を全患者様に実施しております。

単独CABG 低侵襲冠動脈バイパス術 MICS CABGの適応 当院におけるMICS CABG

ご紹介いただく疾患で最も多いのが虚血心疾患でありました。いわゆる、狭心症、心筋梗塞となりますが、単独冠動脈バイパス術を要した262名の患者様全てに人工心肺を使用しない心拍動下冠動脈バイパス術を施行しました。Upright positioning法という我々独自の手法を用い、術中の循環動態を安定させ全例心拍動下の手術が可能となっております。人工心肺への術中移行症例は2例(0.8%)であり、1症例あたりの冠動脈への吻合数は平均3.6か所でありました。退院前の冠動脈カテーテル造影による早期グラフト開存率は97.3%、平均術後入院期間は17.9日といった治療内容です。病院死亡はありませんでした。当科のバイパス手術は吻合箇所が3-7ヶ所と多いのが特徴です。これは、虚血の可能性がある冠動脈全てを血行再建した結果であります。二度と心臓手術をしなくとも良い心臓とすべく追及した結果、吻合箇所の多いバイパスとなります。これによって術後の心臓虚血による心事故イベントは減少しますのでこの姿勢で今後も続けたいと考えております。

心拍動下冠動脈バイパス術(OPCAB)をさらに進化させて低侵襲化を図った「低侵襲心臓手術:MICS」を2015年より開始しております。これは従来、胸骨正中切開にてアプローチしていたOPCABの手術切開創を左側胸部としさらに小さくしたものです。この手術の利点は骨を全く切らないため術直後より運動制限なく動けることであります。退院直後より車の運転やお仕事へ復帰できるため患者様にとってのメリットは大きな術式です。体型や心臓の大きさ等によってできる患者様は限定されますが、このような術式も含めて可能な限り患者様の早期社会復帰をお手伝いしようと考えております。

b)心臓弁膜症(375名)2011年5月から2018年12月まで

大動脈弁狭窄症に対する弁置換術の実際
我々心臓外科医が手術を行う上で最も多い疾患が大動脈弁狭窄症であります。健診等における聴診で心雑音を指摘され、心臓エコー検査で判明することが多い病態です。大動脈弁口面積等の計測にて軽症から重症まで分類されますが、手術治療が必要となるものは狭窄度が重症で、この疾患による日常生活内での症状があるものが一般的であります。ただし、いくら一般的な手術であると我々が感じても、ご紹介いただく循環器内科やクリニック・開業されている先生方、そして患者様ご自身にとっては心臓手術が一大イベントであることは否めません。そこで当院における治療の一般的な内容をお伝えします。

「病院死亡率2.5%、術後2週間と5日で退院です。」
当院における過去6年間(2011-2017年)のデータを図に示しました。重症大動脈弁狭窄症に対する大動脈弁置換術(AVR)を163名の患者様に行いました。平均年齢は74.9歳であり80歳以上の方も51名、31.3%でありました。他の心臓疾患を罹患され、冠動脈バイパス術や他弁手術、大動脈瘤手術や不整脈手術を併用した割合は65%であります。約8割の方が生体弁の使用となり術後の弁周囲逆流(=手術失敗)はありません。術後平均在院日数は19.4日でありました。 単独AVRの平均手術時間は3時間半であり、ほとんどの患者様が手術当日の夕方にはご家族と会話のできる状態となります。手術翌日からの立位・歩行訓練をはじめとした心臓リハビリと食事を開始し術後3日目には一般病棟での生活となります。胸骨正中切開を要する手術ですので術後2-3か月の上半身の運動制限を要しますが、以後の生活は非常に楽なものとなります。

手術前のインフォームドコンセント
これは私どもが手術をうけられる患者様に術前にお話しする内容です。

  • 手術創:胸骨正中切開、もしくは小切開(MICS)
  • 手術時間:3-5時間
  • 手術による死亡率:約3%
  • 術後在院日数2-3週間
  • 費用:高額医療の適応となるので年齢・収入にもよりますが4-15万円/月

「エコーでは重症だけど症状がないんだよね、、、」
これは私どもがご紹介いただく先生方とお話しする内容です。正直悩みどころとなります。症状があるのであれば内科の先生方も患者様に手術治療の必要性を伝えやすいところですが症状がないとなりますと決定打に欠けます。我々も様々な観点から術前、いわゆる無症状とされている患者様方に大動脈弁置換術を行う機会があります。ただ、意外と手術後に患者様方からは「体が楽になった」「深呼吸がしやすくなった」「声量がでるようになった」「疲れやすさがなくなった」、等のお声をいただきます。ご本人様が無症状と言われてもご家族が数年来や最近の経過から「調子が悪くなってきている」等のお話しをいただき手術になることもあります。医師サイドからはBNPの経時的な上昇やCTにおける大動脈弁位石灰化が強いこと等からも手術になることがあります。
無症状ということでも放置した場合に数年以内での心不全イベント等を発症し、その可能性が置換術のリスクより高いことはままあります。患者様ごとに状況は異なりますが、「無症状であっても手術治療を行ったほうがよい場合も多くあります」、ということを皆様にはお伝えさせていただこうと思います。手術適応等につきまして悩まれる場合がありましたらいつでもご連絡ください。軽症で手術適応のない方でも、将来的に病態が進行した場合にどうなるのか?といった件でもよくお話しをさせていただいております。

重症大動脈狭窄症に対する弁置換術

僧帽弁閉鎖不全症に対する弁形成術の実際
僧帽弁に対する手術治療は施設や心臓外科執刀医の考えや治療成績が如実に反映される治療であります。当院の僧帽弁治療に対するコンセプトを詳述させていただきます。

  • 1. 僧帽弁置換術

    僧帽弁狭窄症や感染性心内膜炎で弁輪破壊のあるもの、あるいは左室拡大によるtethering(tenting height 10mm以上)の患者様に対して行っております。

  • 2. 僧帽弁輪形成術

    おもに弁尖障害のない単純な弁輪拡大症例、軽度tethering例、大動脈弁置換時の中等症僧帽弁閉鎖不全症に対して行っております。

  • 3. 僧帽弁尖形成術(いわゆる形成術)

    弁尖逸脱例、感染性心内膜炎における弁尖破壊例に対して行っております。

一般的に形成術が心臓生理(左心室形態:Mitral complex)を考えた場合に良いとされますが、病態、患者様の年齢、形成術と人工弁を比較した際の遠隔成績等を考慮して術式を選択するようにしております。年々、僧帽弁に対する手術も増加しております。

「形成術の成功率97.7%、術後2週間と2日で退院です。」
当院における過去7年間(2011-2018年)のデータを図に示しました。重症僧帽弁閉鎖不全症(逸脱症)に対する僧帽弁形成術を44名の患者様に行いました。平均年齢は58.5歳であり、他の心臓疾患を罹患され、冠動脈バイパス術や他弁手術、大動脈瘤手術や不整脈手術を併用した割合は68%であります。形成術を予定して手術に臨み、形成術で逆流を制御し手術を終えた(形成術完遂度)患者様は97.7%でありました。1名の患者様が人工弁置換術となりました。大事なことは僧帽弁の逆流を消失させることにあります。そのため、形成術を行っても術後に残存逆流を認めると人工弁置換術を行った方がよいのでは?ということになりますが、全例、95.5%の方が逆流1度以下で退院されております(完全消失が65.9%、trivial 15.9%、1度 13.6%)。病院死亡はなく、術後平均在院日数は16.2日でありました。
ほとんどの患者様が手術当日の夕方にはご家族と会話のできる状態となります。手術翌日からの立位・歩行訓練をはじめとした心臓リハビリと食事を開始し術後3日目には一般病棟での生活となります。胸骨正中切開を要する手術ですので術後2-3か月の上半身の運動制限を要しますが、以後の生活は非常に楽なものとなります。

手術前のインフォームドコンセント
これは私どもが手術をうけられる患者様に術前にお話しする内容です。

  • 1. 手術創:胸骨正中切開、もしくは小切開(MICS)
  • 2. 手術時間:3-4時間
  • 3. 手術による死亡率:約1-3%
  • 4. 術後在院日数2-3週間
  • 5. 費用:高額医療の適応となるので年齢・収入にもよりますが4-20万円/月
重症僧帽弁逸脱症に対する形成術

c)胸部大動脈瘤(179名)2011年5月から2018年12月まで

当科における胸部大動脈瘤は多くが上行もしくは弓部大動脈瘤であり、大動脈弁疾患を合併された患者様がその半数を占めております。手術死亡は2.8%でありました。胸部大動脈瘤に対する治療は、通常の人工血管置換術とステントグラフト治療の両者を検討し治療を行っております。
急性A型大動脈解離は発症から48時間以内に50%の方がお亡くなりになるとされる致死的疾患です。治療は原則、緊急手術による人工血管置換術が必要となります。当院では開設からの8年間で60名の方々に緊急救命手術を施行させていただきました。患者様の平均年齢は68.1歳であり男性42%の性差比率でありました。全患者様に緊急手術を施行させていただき病院死亡は3.3%でありました。当科では迅速な受け入れから、上行大動脈送血(全患者様の90%)までの時間を短縮化させ大動脈解離本態の臓器血流障害を最小限としております。また、手術で要する人工心肺操作に改良を加え従来、大動脈解離手術で問題となっていた出血問題を解決しております。そのため術後の出血はほぼなく、手術室での人工呼吸器からの離脱も30%を超えます。全国のA型大動脈解離手術の病院死亡が平均9%とされるなかでの当院の成績は容認される内容であります。ただし術前状態等の要因にて合併症発症はある比率で認められ、これらの改善に取り組んでおります。術後8年の経過フォローでは追加手術が2例(3.3%)に要しました。今後とも積極的な受け入れを実現し患者様の救命に臨みます。

当院における急性A型大動脈解離手術成績1 当院における急性A型大動脈解離手術成績2 当院における急性A型大動脈解離手術成績3 当院における急性A型大動脈解離手術成績4

80歳以上の高齢患者様に対する心臓胸部大血管手術治療の結果

(2011年5月より2018年12月までの退院患者様)

80際以上の患者様に対する開心術 2018年の開心術における80歳以上の患者様は全体の25%

ご高齢患者様に対する心臓外科手術は、患者様やご家族様が大きな不安を抱えてこられることが多いのは事実です。不安の理由は、「果たして手術を乗り切るだけの体力があるのかどうか?」といったものです。術前状態によってもかわりますが、当院で手術を受けられた147名の80歳以上の患者様方の術後経過や結果から、80歳以上であること(=ご高齢であること)だけで手術の妨げとなることはありません。体力が若年者に比べると劣ることは否めませんが、それを見越した詳細な術前評価や術後の積極的離床・リハビリによって、術後平均在院日数は約23日となっております。当院における最高齢手術は98歳女性のA型大動脈解離手術ですが、術後15日でご自宅退院されました。多くの職種が集中的に退院までのサポートにあたるハートチームによって、安全かつ確実な医療に取り組んでおります。

透析患者様に対する心臓胸部大血管手術治療の結果

(2011年5月より2018年12月までの退院患者様)

透析患者様に対する開心術 全開心術における透析患者様は13.9%

透析を受けられておられる患者様の開心術を、開設から8年間に116名行っております。
紹介いただく先生や患者様ご自身様から、「透析していることがかなりのリスクにはなるのですよね?」との質問をいただきます。私どもの見解としては、「確かに通常の透析を受けられていない患者様方よりはリスクのある手術になります。
ただ、透析患者様に対する特別な対応を行い、周術期合併症や死亡率を減らすことができます。」
とお答えさせていただいております。
116名の患者様の内容としては、男性が約6割、平均年齢67歳でありました。
心臓弁膜症が53%と多く、次いで虚血性心疾患37%、胸部大動脈瘤10%の内訳です。平均在院日数は術後約1か月、病院死亡率は7.7%でありました。
重要なことは、この7.7%の病院死亡をどうとらえ、患者様方へ対応していくかということであります。

虚血性心疾患に対する手術は全例、心拍動下冠動脈バイパス術を行い病院死亡はなく、冠動脈に吻合したグラフト(自己血管)開存は100%でありました。
冠動脈への吻合数は平均3.33箇所であり、両側内胸動脈を通常どおり使用し、遠隔成績を考慮したバイパスを行っております。 非透析患者様と同等、あるいはそれ以上の治療成績で治療が行えている結果です。

心臓弁膜症手術における病院死亡は7名、11.5%と高いものです。ただし、7名のうち5名は感染性心内膜炎、いわゆる重症感染症に陥った状況での緊急手術でありました。
透析患者様で、敗血症に至った状況での弁膜症手術は心臓治療が完遂できても術後の残存感染に打ち勝つ体力が残っておらず死亡に至る経緯を経験しております。
こういった経験から、我々の施設では透析患者様の感染症は早期対応を行うことで近年の治療成績を上げております。循環器内科や透析医への啓蒙を行い、 早期にご紹介いただき必要な心臓外科手術を低侵襲で行うことで直近3年間の治療成績の改善を認めております。患者様方にもこの点は強く自覚していただきたいと思います。

胸部大動脈瘤手術における病院死亡は2名、16.7%でありました。
重症感染症によるものと大動脈動脈硬化が非常に強い方へ行ったステントグラフト留置で腸管虚血を発症した患者様でありました。

当科における透析患者様に対する心臓外科手術で考慮する点は2点です。
上述した内容の繰り返しでありますが、術前状態で重篤な感染症を原因とした疾患である場合、病院死亡が10%を超える治療成績を経験してきました。また、非閉塞性腸管虚血で2名の方が病院死亡に至っております。全身大動脈の高度石灰化を認め、腸管動脈の血流が非常に悪い方でありました。そのため現在は下記内容で透析患者様への積極的な治療対応を行っております。

  • 1. 感染症関連の心臓病に関しては、早期に外科治療を行い、感染巣を完全除去。全科を上げた術後全身管理にて体力低下を防ぐ
  • 2. 術前精査で動脈硬化の非常に強い方には、術直後の透析対応を通常透析とは変えて慎重に行う

これらの対応を行い、透析患者様方への心臓大血管手術を行っております。治療成績は年々改善され、現在、透析されているということが大きなリスクとはならないと考えております。透析患者様方はより慎重な全身評価と低侵襲手術、全科対応の術後管理を要しますが当院はこれらを実現しております。
お困りの方々がいらっしゃいましたらいつでもご相談ください。

手術時間について

狭心症手術2~5時間
弁膜症手術3~5時間
胸部大動脈手術4~6時間

入院費用について

※下記費用例は一例です。診察内容や手術内容等によって費用は変わります。おおよその目安としてご参照ください。

ケース1(70歳未満・限度額認定「区分エ」の場合)

患者69才
病名重症大動脈弁狭窄症
治療大動脈弁置換術
入院期間18日間
  • 入院総合計金額(10割の金額):約5,600,000円
  • 医療保険使用での自己負担金額(3割の金額):約1,670,000円
  • 高額療養費制度で限度額認定証を受けた場合の退院時に支払いした窓口負担金額:約76,000円

    ※事前手続きが必要となります。
    ※食事代・病衣代を含む。
    ※高額療養費限度額は所得により異なります。

  • 術後在院日数2-3週間
  • 費用:高額医療の適応となるので年齢・収入にもよりますが4-15万円/月

ケース2(70歳以上・限度額認定証「低所得Ⅱ」の場合)

患者80才
病名冠状動脈狭窄症
治療冠動脈、大動脈バイパス移植術
入院期間17日間
  • 入院総合計金額(10割の金額):約3,100,000円
  • 医療保険使用での自己負担金額(1割の金額):約320,000円
  • 高額療養費制度で限度額認定証を受けた場合の退院時に支払いした窓口負担金額:約35,000円

    ※事前手続きが必要となります。
    ※食事代・病衣代を含む。
    ※高額療養費限度額は所得により異なります。

  • 術後在院日数2-3週間
  • 費用:高額医療の適応となるので年齢・収入にもよりますが4-15万円/月

当科で取り扱う疾患について

虚血性心疾患

虚血性心疾患とは?

虚血性心疾患とは、心臓の筋肉(心筋)を養うための冠動脈に狭窄や閉塞をきたし生ずる疾患です。具体的な疾患名としては、狭心症や心筋梗塞等となります。これらの疾患は一般的に、労作時の胸部症状(胸痛等)を生ずるものが多く、安静や投薬治療を行いながら根治術が必要となります。根治術としては血管内治療(経皮的冠動脈形成術)と外科的治療(冠動脈バイパス術)の2つに分けられます。現在の日本では、経皮的冠動脈形成術が多く選択されます。 ただし、冠動脈の病変状態によっては冠動脈バイパス術の治療成績が良い患者様もおりますので、そのような患者様にはバイパス術をお勧めすることとなります。

冠動脈バイパス術について

冠動脈バイパス術(CABG: Coronary artery bypass grafting)の歴史は50年以上に及び、様々な技術革新の結果、長期成績に優れた治療法として確立しました。体にメスをいれるという侵襲面があることは否めませんが、一度の手術で全ての冠動脈病変に対する治療を行うことが可能であります。この治療法のメリットは、1) 現時点で患者様を悩ましている虚血性心疾患の治療、2) 将来的な心筋伷塞発症等の冠動脈イベントの再発予防、の2点であります。きちんとした治療を受ければ、手術後5年10年15年といった長期間に、同じような病気で困る可能性は低いものになるといえます。冠動脈バイパス術は人工心肺(ポンプ)を用いた オンポンプ CABG と、人工心肺を用いないで心拍動下に手術を行う オフポンプ CABG に大別されます。人工心肺とは心臓を停止させている間、全身に酸素化されたきれいな血液を送る装置で、これによって心臓にメスを入れる手術が可能となる装置です。オフポンプ CABG は心拍動下に冠動脈と冠動脈へ血液を新たに供給する血管(=グラフト)を吻合することが必要であり、手術の難易度は高くなります。ただし、人工心肺を用いないことで手術による合併症(脳伷塞、腎不全、感染症など)の可能性がより低いものとなります。また、グラフトは様々であり、左右の内胸動脈、右胃大網動脈、橈骨動脈、大伏在静脈などを使用します。冠動脈への吻合パターン(=バイパスデザイン)も様々でありますが、内胸動脈はその長期開存性の良さが高く評価されており、主要冠動脈である左前下行枝といった重要な冠動脈に対するグラフトとして頻用されています。

冠動脈バイパス術について

当院における冠動脈バイパス術

当院では、手術による体力低下や合併症の発症を少しでも軽減させるために人工心肺を使用しないオフポンプCABG を基本術式とし、全患者様に施行しております。血行動態が破綻しないように心臓を持ち上げ(Upright positioning法)視野を確保し、心拍動下で直径1.0-2.5mmの血管を吻合します。Upright positioning法は循環維持のために術中カテコラミン等の強心剤やIABP等の心臓循環維持のための機械的補助を必要としないシンプルな手法であり、心臓の働きに左右されず施行可能であります。可能な限り両側内胸動脈によって左冠動脈領域を2-4か所吻合します。通常の冠動脈への吻合は3-5か所であり、バイパスデザインは1) 冠動脈左前下行枝への血流を確実に確保すること、2) 長期的なバイパスの機能的開存性、3) 心機能改善のため心臓の隅々まで血液が行き渡るような完全血行再建、を視野にいれたバイパスデザインを心がけております。使用するバイパスグラフトは長期開存性の良い動脈グラフトを基本としております。我々は、このような高い技術を要する一連の手技に対して研鑽を重ね、自信を持って臨んでおります。また、当院における心臓血管外科治療の強みは当院循環器内科との密接な連携のもと、患者様に対する治療の妥当性を内科外科の両方向から検討し決定している体制にあります(ハートチーム)。目指すところは患者様に対する治療後の心機能をはじめとした日常生活動作(ADL:Activities of Daily Life)の改善でありますので、適宜経皮的冠動脈形成術および冠動脈バイパス術の長所短所に照らし合わせ内科外科連携のもと治療にあたっております。

当院における冠動脈バイパス術

大動脈弁狭窄症(心臓弁膜症 :1)

はじめに

心臓の内部は4つの部屋に分けられていますが、その中を流れる血液が逆流しないように4つの「弁」が存在します(大動脈弁、僧帽弁、三尖弁、肺動脈弁)。この弁に異常をきたした病態を「心臓弁膜症」といいます。以前はリウマチ熱にかかった患者様が数年後から数十年後に弁膜症を発症するパターンが多くみられました。最近はリウマチ熱が減少してきましたが、加齢や動脈硬化を原因とした大動脈弁狭窄症、変性による僧帽弁閉鎖不全症の増加がみられます。

大動脈弁狭窄症とは?

大動脈弁狭窄症(aortic valve stenosis: AS)は大動脈弁の何らかの原因による開放制限のため、左心室からの血液駆出が妨げられ圧較差が生じた状態です。成人ASの主な原因はリウマチ性、先天性大動脈二尖弁に伴う弁硬化、退行性石灰化であります。時代とともにリウマチ性は減少し、加齢に伴う弁の退行性石灰化が増加しています。この石灰化は弁尖基部から弁の先端へと進行し、最終的に有効弁口面積が減少します。若年者ASは先天性奇形、特に先天性二尖弁が数十年にわたり徐々に線維化、肥厚し退行性石灰化病変に類似した変性を示すようになることが多いとされています。高齢者ASでは成因に関係なく高度石灰化が認められることが多いとされ、高齢化に伴い偶発的にASが発見される頻度は増加しています。狭窄度についてですが大動脈弁口面積(弁開口時の血液が通過する断面積)が正常の1/4に縮小するまでは、重篤な狭窄症は起こりません(正常人の弁口面積は約3.0-4.3cm2)。弁口面積の計測は外来受診時の心臓エコー検査で測定可能です。一般的に弁口面積で1.5cm2以上は軽症、1.0-1.5cm2は中等症、1.0cm2以下は重症とされます。ただし、大動脈弁置換術の適応は自覚症を重視し、絶対的弁口面積は必ずしも主要決定因子ではありません。ASによる自覚症状は一般的に、労作時の息切れや動悸です。病態が進行すると、胸痛や意識消失を生じ、最終的には心不全や突然死へと移行します。

大動脈弁狭窄症の治療法について

(1)大動脈弁狭窄症の治療方針
潜伏期間の後、狭心症、失神、心不全などの自覚症状が出現すると予後が一変し、症状出現後の平均生存期間は2-3年未満とされます。現時点ではASに対する有効な内科的治療は知られておらず、自覚症状はAS臨床経過の臨界点であり、自覚症状が出現した時点で適切な外科的治療を考慮する必要があります。外科的治療法としては代用人工弁による置換術が一般的です。自覚症状が出現した患者様では突然死の頻度が高くなることは知られていますが、無症候性患者様の突然死は大変希とされます。

大動脈弁狭窄症の治療法について

(2)大動脈弁置換術の適応
有症状者は基本的に早期の手術を考慮します。無症候性ASに対しては慎重な経過観察の上、手術の至適時期が検討されます。ASは進行性の疾患であり、早晩症状がでてくる可能性が高いので患者様の全身状態と他の合併疾患とのかねあいを考慮します。その一つに無症候性AS患者様の弁膜石灰化程度による予後検討の報告などがあり、高度石灰化例では弁狭窄の進行が早いとされています。この報告では2年以内に79%の例で死亡、または大動脈弁置換術をうけることになった結果がでており、弁石灰化が重要な手術規定因子の一つと考えられます。

(3)人工弁について
人工弁の種類は大きく機械弁と生体弁に分類され、それぞれ長短所を有し、患者様の状態によって選択します。機械弁は耐久性、弁機能に優れますが一生涯、抗凝固療法(ワーファリン内服など)を継続しなければなりません。生体弁は、血栓塞栓症の発生が低く抗凝固療法を軽減(または省略)できますが、構造的劣化率が高く再手術の必要性が高い欠点もあります。また人工弁そのものに伴う合併症として以下のものがあげられます。

  • 1. 構造的弁劣化
  • 2. 血栓弁
  • 3. 閉塞症
  • 4. 出血性合併症
  • 5. 人工弁感染症

当院における大動脈弁置換術

当院では、一般的な人工弁置換術を施行しております。手術は全身麻酔導入下に行われます。創部の大きさは胸の正中、長軸方向に約20cmです。胸骨を縦切開し心膜を解放後、人工心肺を装着します。心筋保護液という心保護液を注入し、心停止を確立し大動脈を横切開し大動脈弁を露出します。当院の心筋保護は研究を重ねた特殊な手法にて施行しており、通常の心停止許容時間を安全に拡大することが可能となっております。大動脈弁狭窄症の大動脈弁は非常に強い石灰化を呈していることがほとんどです。超音波破削器という石灰を砕く装置にて大動脈弁を削りとり、その後人工弁を設置します。重要なことはその患者様にあった十分な大きさの人工弁をいれることであります。そのため、当科ではこの破削装置による脱灰を入念に行い適性サイズの人工弁にて置換しております。人工弁を設置後、切開した大動脈を閉鎖し、人工心肺から離脱。止血、洗浄の後、創を閉鎖して手術終了となります。手術時間は通常、3-5時間です。術後は通常、翌日朝までに覚醒し人工呼吸器より離脱します。術翌日は朝から立位、歩行を含めた心臓リハビリが開始されます。その後、手術創は約1週間でガーゼ等、被覆のいらない状態となります。ただし胸骨切開を行いますので上半身の運動を自在にできるようになるには術後2-3か月を要します。通常、術後2-3週間前後での自宅退院となります。術前の身体能力が保たれて、歩行可能な患者様はご高齢であっても治療が可能であります。

僧帽弁閉鎖不全症(心臓弁膜症:2)

僧帽弁閉鎖不全症とは?

僧帽弁は心臓内の左心房と左心室間に位置する弁で、左心房から左心室へ流入する血液が左心室から左心房へと逆流を起こさないようにする大切な役割を担っています。この弁は、左心室の伳索によって引っ張られ、左心室が収縮する時に閉鎖するようになっています。この伳索が切れたり、伸びたり、あるいは左心室へ落ち込んだりすることにより、うまくあわされないようになり逆流を生ずるのが僧帽弁閉鎖不全症です。原因として、加齢による弁の退行性変化、虚血性心疾患による弁支持組織の病変、リウマチ性、感染性、先天性、外傷性などがあげられます。重症度分類は心臓エコー検査等による逆流量の測定によって、軽症、中等症、重症に分類されます。僧帽弁閉鎖不全症が進行すると心不全症状を呈してきます。代表的な自覚症状として、労作時の息切れ、全身倦怠感、動悸(不整脈の出現)、むくみなどです。しかしながら慢性的な僧帽弁逆流症の場合、症状の進行が緩徐で高度逆流が存在しても自覚症状を訴えない場合もあります。そのため、心臓エコー検査等にて定期的な重症度チェックを行うことが大切です。

帽弁閉鎖不全症とは?

僧帽弁閉鎖不全症の経過について

重症度と自覚症状が必ずしも一致しないのが僧帽弁閉鎖不全症ですが経過についての報告をいくつか御紹介します。
「Natural History of Asymptomatic Mitral Valve Prolapse in the Community」
 Circulation 2002; 106; 1355-1361

米国メイヨークリニックからの報告で、自覚症状のない僧帽弁閉鎖不全症の患者様(対象は833人)がどのような自然予後をたどったかを述べています。つまり手術を受けずに内科療法(薬の内服等)のみで経過された患者様の生命予後を報告したものです。この報告では自覚症状のない患者様でも心機能が低下(左室駆出率50%以下)、もしくは中等度以上の逆流を認めた患者様は一般の人より明らかに寿命が短いことを指摘しています。(10年死亡率約45%)
「Clinical Outcome of Mitral Regurgitation due to Flail Leaflet」  N Engl J Med 1996; 335; 1417-1423
これも米国メイヨークリニックからの報告ですが、重症僧帽弁閉鎖不全症の患者様(対象は229人)がどのような自然予後をたどったかを述べています。先の報告同様、手術を受けずに内科療法(薬の内服等)のみで経過された患者様の生命予後を報告したものです。この報告では重症僧帽弁閉鎖不全症の患者様が内科的治療で経過をみた場合、一般の人より寿命が短くなることを指摘しており他の合併症の出現についても指摘しています。10年間での死亡率は約43%ですが1年あたりの死亡率は6.3%と非常に高いものです。さらに10年以内に心不全を起こす割合が63%、不整脈(心房細動)を起こす割合が30%、塞栓症(脳伷塞など)が12%でありました。また90%の患者様が10年間で手術を受けるか死亡といった経過をたどっております。この重症例の中でも重い自覚症状を有する患者様では更に予後は悪く5年あたりの死亡率は86%と非常に高い数字でありました。これらの報告からもわかるとおり、たとえ僧帽弁閉鎖不全症による症状のない患者様でも中等度以上の逆流を生じている場合の寿命は短くなります。そのため症状のいかんにかかわらず、中等度以上の逆流を認める患者様には、生命予後を改善するために治療を行うことが望ましいとされています。最近では「左室機能低下がなく無症状の高度僧帽弁閉鎖不全症においても逆流を残存することなく、90%以上の弁形成術が可能である場合の経験豊富な施設における弁形成術は妥当である」という項目が日本循環器学会のガイドラインクラスIIaに追加されました。弁形成術による生命予後の改善がガイドライン上でも認められ、啓蒙されるようになってきました。

種々の要因によって生じた僧帽弁の逆流

治療法

治療法としては内科的療法と外科的療法に分けられます。急性の僧帽弁閉鎖不全症は急激に心不全が悪化する症例が多く、速やかな外科的治療への移行が大切となります。慢性の僧帽弁閉鎖不全症では、内服剤や点滴等による内科的治療がまずは試みられます。しかしながら、中等度以上の逆流を生じた場合、自覚症状を認めなくても生命予後が悪くなることに加え、僧帽弁形成術による外科治療の成績が安定してきたため外科的治療が第一選択となりつつあります。

僧帽弁形成術について

手術法としては僧帽弁置換術と僧帽弁形成術の大きく2つに分けられます。僧帽弁置換術は昔から行われている一般的な治療法で、治療成績も安定していますが、機械弁を使用した場合、生涯、抗凝固療法(人工弁に血栓がつかないように血液を固まりづらくする治療)が必要で、脳伷塞や、出血など、服用する薬による合併症の危険を避けては通れません。僧帽弁形成術の利点としては、人工物の使用がほとんどないため長期間の抗凝固薬の使用が不要となることです。ただし、心房細動等の不整脈を合併している場合はこれにあてはまりません。また、自己心の形態を維持できるため術後の心機能が良好に維持できることから予後の改善にもつながるとされています。そのため弁置換術より弁形成術の方が望ましいのです。当院では僧帽弁閉鎖不全症に対して弁形成術を第1選択として取り組んでいます。ただし、弁形成術は、もともと病気のあった自分の弁を切ったり縫ったりして治すわけですから、術者の力量によって、手術成績が左右されます。当院では、逆流の術中評価をより厳密にし、形成術の精度を上げるために大動脈遮断中に心臓を動かし、逆流残存を評価するBeating testを導入しております。この方法で術直後の残存逆流を限りなく0に近づけるべく努力を行い、将来的な逆流の起こらない手術を目指しています。手術時間は通常、4-6時間です。術後は通常、翌日朝までに覚醒し人工呼吸器より離脱します。同時に立位歩行訓練を開始し心臓リハビリによるADLのUpに努めます。手術創は約1週間でガーゼ等、被覆のいらない状態となります。ただし胸骨切開を行いますので上半身の運動を自在にできるようになるには術後2-3か月を要します。通常、術後2週間前後での自宅退院となります。術前の身体能力が保たれて、生活が自立しているような患者様はご高齢であっても治療が可能であります。

大動脈疾患

大動脈瘤に対する外科的治療は年々増加傾向にあります。多くの動脈瘤は動脈硬化が原因であり、動脈硬化によって血管壁が薄くなることで瘤化し動脈瘤が形成されます。多くの患者様が自覚症状のないまま病態は進行します。風船をふくらませていくといずれ破裂するのと同様、動脈瘤もある程度の大きさに達すると破裂します。その場合、大出血をきたし死亡率は80%前後と致命的です。ですから動脈瘤は早期発見が重要であり、破裂や破裂寸前の状態、突然発症の解離性大動脈瘤、血管径が5cmをこえる大動脈瘤、等が治療の対象となります。大動脈瘤のできやすい部位は胸部と腹部であり、血管壁の構造が保たれたまま拡大する真性瘤、血管壁の正常構造が認められない仮性瘤、血管内膜に亀裂がはいり血管壁内に血液が侵入して生じる解離性、等に分類されます。自覚症状の出現や、定期健診で発見されることが多く、CTやMRA、血管造影といった画像診断によって確定診断となります。治療としては外科的治療となり、人工血管による置換術、もしくはステントグラフトによるカテーテル治療となります。治療法の選択に関しては患者様の状態に応じて決定されます。現在、治療の確実性の点からは人工血管置換術に分がありますが、体への侵襲を考慮するとステントグラフト治療が体にとってはやさしい治療となります。当院では患者様に応じて両者を選択し治療にあたっております。大動脈瘤の宣告をうけると、患者様は体内に時限爆弾を負わされた気持ちとなり、日常生活に不安をかかえることとなります。その不安な気持ちを解消すべく、経過観察としてよいのか、治療が必要であればどのような治療法がよいのか、その治療法の具体的な内容等について皆様とともに考えさせていただきたいと思います。

大動脈疾患

末梢動脈疾患

下肢閉塞性動脈硬化症に対する治療は血管内治療を含め、治療法が検討され最善の血行再建術を行います。また、透析患者様のシャント作成やトラブルに関しても迅速な対応と手術を心がけております。

大末梢動脈疾患

下肢静脈瘤

下肢静脈瘤とは体の表面にある静脈(血管)が拡張する病気です。症状としては、下肢のむくみ、痛み、かゆみ、だるさ、こむら返り等が一般的です。進行すると皮膚の色が変化し、潰瘍を形成することもあります。このような症状が出現した際には治療の適応となります。
治療は、病変静脈を抜去するストリッピング手術や焼灼するレーザー治療、硬化療法等となります。
当科では専門医師の着任により2018年9月より静脈瘤外来を開始し、診療を開始させていただきます。上記症状を訴えられる患者様に寄り添い、診断・最適な治療を提供させていただきます。手術治療は、日帰りでの治療が可能ですが、ご希望に応じて入院での治療にも対応致します。手術時間は30-60分、術後通院は3-4回で治療終了となります。下肢静脈瘤でお悩みの方はぜひ当科外来を受診されてください。



広報ゆうあいリンク
2011_04_心臓血管外科開設に向けて
2011_06_心臓血管外科開設のお知らせ
2011_08_虚血性心疾患に対する外科治療
2011_10_心臓弁膜症に対する外科治療_大動脈弁狭窄症
2011_12_心臓血管外科開設6ヶ月を経て
2012_01_心臓弁膜症に対する外科治療_僧帽弁閉鎖不全症
2012_04_大動脈瘤に対する外科治療
2012_06_腹部大動脈瘤に対する外科的治療
2012_08_閉塞性動脈硬化症に対する外科治療
2012_10_当科における冠動脈バイパス術の早期治療成績
2012_12_80歳以上の高齢者さんに対する心臓大血管手術治療
2013_01_心臓血管外科診療開設以来18ヶ月の治療成績について
2013_04_感染性心内膜炎に対する外科治療
2013_06_心臓手術、2週間で退院です。
2013_08_急性大動脈解離
2013_10_リスクの高い方への心臓血管手術
2013_12_心臓を止めて、治して、動かす!
2014_01_2013年の総括と2014年の抱負
2014_04_MICS CABGって、、、すごいんです!!
2014_06_心臓血管外科医師の心得
2014_08_その不安のもと、解決いたします!
2014_10_成人の先天性心疾患
2014_12_成人の先天性心疾患02
2015_01_開設5年目にあたり
2015_04_低浸襲冠動脈バイパス術(MICS-CABG)本格始動!
2015_06_心臓外科手術、おいくらかかりますか!?
2015_10_心房細動は迷路で治るんです!?
2015_12_年に一度の画像検査のススメ
2016_01_心臓・血管疾患でお困りのすべての方々とご家族へ
2016_04_出会いと別れ
2016_06_安全かつ質の高い麻酔医療によってもたらされる恩恵
2016_12_腹部動脈瘤について
2017_01_当院は安全性の高い心臓外科治療を行っております
2017_04_大動脈弁の病気について
2017_06_心臓弁膜症の治療について
2019_04_下肢動脈瘤について

心臓血管外科 後期研修医募集

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