AGA治療の個人輸入をやめた|海外製ミノキシジルを半年使った男がクリニック処方に変えた理由

自宅の机に座る50代の日本人男性の後ろ姿。手に持ったスマートフォンにはオンライン診療の画面が映り、机の上には薬の箱と水の入ったグラスが置かれている。

海外製ミノキシジル15%を個人輸入で半年間使いました。効果はあった。でも、原因不明の湿疹が出たとき、相談できる相手が誰もいなかった。

その後、AGAクリニックの無料カウンセリングに10社以上足を運びました。「ぼったくられるんじゃないか」という被害妄想は、1社目で拍子抜けするほどあっさり崩れた。

この記事では、個人輸入からクリニック処方に切り替えた経緯と理由を、全部正直に書きます。個人輸入を全否定するつもりはありません。ただ、あの半年間で得たものと失ったものを、同じ迷いを抱えている人に伝えたい。

AGA治療歴5年目(2020年〜現在)。フィナステリドとミノキシジルを服用中。対面およびオンラインクリニックを10社以上利用してきた体験をもとに書いています。

目次

個人輸入に手を出した理由を正直に話します

個人輸入がダメだと頭ではわかっていても、手を出す人の気持ちは痛いほどわかります。自分がそうだったから。

AGAクリニックが怖かった

30代後半から薄毛が気になり始めました。育毛シャンプー、育毛剤、湯シャン、塩シャン、蜂蜜シャン。思いつくものは片っ端から試しました。どれも効果は感じられない。

AGAクリニックという存在は知っていました。テレビCMや電車広告でしょっちゅう目にする。でも、怖かった。

ぼったくられるんじゃないか。恐怖を煽られて高額な契約を結ばされるんじゃないか。一度カウンセリングに行ったら、契約するまで帰してもらえないんじゃないか。

今振り返ると完全な被害妄想です。でも当時は本気でそう思っていた。この被害妄想がどう崩れたかは、後で書きます。

きんじろう

AGAクリニックに行く勇気がなかった。それが本音です。

「自分で買えばいい」という誘惑

ネットで調べていると、海外製のミノキシジル外用15%が個人輸入で買えることを知りました。国内のリアップが5%なのに対して、3倍の濃度。価格は月5,000〜6,000円ほど。

誰にも会わなくていい。誰にも薄毛のことを知られない。自分のペースで試せる。

「まずこれで様子を見よう」

そう思いました。今振り返ると、この「まず」が半年間のゴールデンタイムを溶かすことになります。AGA治療には「早く始めるほど効果が出やすい」時期があって、自分はその貴重な期間を、医師の処方なしの外用薬だけで使い切ってしまった。

発毛のゴールデンタイムについては「フィナステリドとミノキシジルを4年飲み続けた50代男のリアル」で詳しく書いています。

海外製ミノキシジル15%を半年使って起きたこと

白いカウンターの上で横倒しになった茶色のスポイト瓶のそばに、数本の抜け毛が落ちている。背景はぼけた浴室空間で、静かな不安感がある。

効果はありました。それは認めます。でも、効果と引き換えに抱え込んだものがあった。

1ヶ月目:初期脱毛が来た

使い始めて1ヶ月ほどで、初期脱毛がやってきました。

ドライヤーをかけると髪がハラハラ抜ける。排水溝が黒くなる。枕にはべったり。数百本は抜けていたと思います。

「これは効いている証拠だ」と自分に言い聞かせていました。実際、初期脱毛はミノキシジルが毛母細胞を活性化させて、古い毛が一気に押し出される現象です。ただ、それを教えてくれる医師はいない。ネットの情報だけを頼りに、自分で自分を納得させるしかなかった。

3週間ほどでぴたりと止まりました。不思議なくらい、ある日を境にパタッと。

3ヶ月目:毛は生えた。でも抜け毛が止まらない

3ヶ月を過ぎた頃から、産毛が増えてきた実感がありました。トップにボリュームが出てきた気がする。

でも同時に、抜け毛も止まらない。

生えては抜け、生えては抜ける。終わりのないイタチごっこ。3ヶ月の努力が毎日リセットされている感覚でした。

ミノキシジルとフィナステリドの役割

ミノキシジルは「生やす薬」。毛母細胞を活性化させて新しい毛の成長を促します。一方、フィナステリドは「抜けを止める薬」。AGA(男性型脱毛症)の原因物質であるDHTの生成を抑え、ヘアサイクルの短縮を防ぎます。

ミノキシジルだけでは、蛇口を開けっぱなしにしたまま水を汲んでいるようなもの。いくら生やしても、抜ける原因を止めなければ追いつきません。

当時の自分はこの仕組みを理解していませんでした。フィナステリドという薬の存在すら、はっきりとは知らなかった。個人輸入で手に入る「濃い発毛剤」さえ塗っていれば何とかなると思い込んでいたんです。

原因不明の湿疹と「相談先がない」恐怖

使い始めて4ヶ月ほど経った頃、手足に湿疹が出ました。

頭皮には異常なし。最初は全く別の原因だと思っていました。ただ、シャワーで頭を洗い流したミノキシジルが手足についていた可能性は否定できない。かといって因果関係を証明する方法もない。

問題は、「因果関係がわからないのに、聞ける相手がいない」ことでした。

個人輸入には担当医がいません。メーカーに問い合わせる窓口もない。ネットで同じ症状を検索しても、自分と同じ状況の体験談は見つからなかった。

湿疹は4ヶ月ほどで自然に治りました。結局、ミノキシジルが原因だったのかどうかは今でもわからない。

でも、あの期間の不安は忘れられません。何か起きたときに、頼れる人が一人もいない。偽薬かどうかという以前に、これが個人輸入の本質的なリスクだと思っています。

「クリニックはぼったくり」という被害妄想が崩れた日

木製の椅子が並ぶ明るいクリニックの待合室。大きな窓から自然光が入り、受付カウンターや観葉植物が見える清潔で落ち着いた空間。

半年間のイタチごっこで心が折れました。もう自力では無理だ。覚悟を決めて、AGAクリニックの無料カウンセリングに行くことにしました。

結論から言うと、1社目で被害妄想はあっさり崩れた。ただし、3社目で最悪のクリニックに当たることになります。

3社目で最悪のクリニックに当たった

1社目、2社目と紳士的な対応が続いて、「なんだ、AGAクリニックって普通じゃん」と油断していました。3社目に選んだのが、電車広告でよく見かける全国展開の大手クリニックでした。

受付で保険証を求められました。保険証を渡さないと無料カウンセリングに進めないと言う。違和感を感じつつも従いました。

カウンセリングルームに通されると、そこから空気が変わりました。基礎疾患があると伝えたら「かかりつけの医師と直接話したい」と繰り返すばかりで、こちらの話を聞いてくれない。無料カウンセリングなのに担当者が5回入れ替わる。裏で誰かが指示を出しているのが透けて見えるのに、目の前のカウンセラーには何の決定権もない。

部屋から出してもらえない圧迫感。

「ああ、やっぱりAGAクリニックってこういう場所なんだ」

被害妄想が確信に変わった瞬間でした。

※ クリニック名は伏せます。特定のクリニックを批判したいわけではなく、自分の体験を正直に書くことが目的です。

それでも残り9社以上は全部紳士的だった

3社目のあと、正直「やっぱりダメか」と思いかけました。でも1社目と2社目がまともだった記憶があったから、もう少し回ってみようと思えた。

質問にはきちんと答えてくれる。治療の選択肢を複数提示してくれる。「今日は話だけ聞いて、家で考えてから決めてください」と言ってくれる。帰りたいと言えば、普通に帰れる。

そこから10社以上を回りました。結果、最初の1社以外は全部紳士的でした。

10社以上回って、まともじゃなかったのはたった1社だけだった。

「AGAクリニック=ぼったくり」は、自分が勝手に作り上げた幻想でした。もしあの1社で諦めていたら、今も個人輸入のイタチごっこを続けていたかもしれない。そう考えるとぞっとします。

きんじろう

10社回って9社が紳士的だった。もし3社目で止めていたら、今も個人輸入を続けていたと思う。

価格も個人輸入と変わらなかった

一番驚いたのは価格です。

海外製ミノキシジル15%の個人輸入は月5,000〜6,000円かかっていました。それに対して、オンラインクリニックでフィナステリドとミノキシジルの内服薬を処方してもらうと、月2,000〜8,000円。クリニックによって幅はありますが、安いところなら個人輸入より安い。

しかも内服ならDHTもブロックできます。外用だけではイタチごっこだった原因が、内服に切り替えた瞬間に解消される。価格帯はほぼ同じなのに。

あの半年間は何だったのか。本気でそう思いました。

4年間でいくら使ったかは「AGA治療費のリアル|4年間でいくら使ったか」で全額公開しています。

個人輸入をやめてクリニック処方に変えて気づいたこと

個人輸入とクリニック処方。どちらも薬を使うのは同じです。でも、「安心して飲める」かどうかは全く違いました。

何でも相談できる相手がいる

個人輸入の半年間、湿疹が出ても相談先がありませんでした。

クリニック処方に変えてからは、気になることがあれば診察のときに聞けます。「最近ちょっと抜け毛が増えた気がするんですが」「この薬、飲み続けて大丈夫ですか」。どんな些細なことでも嫌な顔をされたことがない。10社中9社で、例外なく。

聞ける人がいるだけで、治療のストレスがまるで違います。薬を飲むたびに「大丈夫かな」と不安になるのと、「医師がOKと言ってくれたから大丈夫」と思えるのでは、同じ1錠でも重さが違う。

写真記録でモチベーションが続く

銀クリ(銀座総合美容クリニック)に通っていた頃は、毎回写真を撮ってもらえました。

自分では気づかない変化が、写真で客観的に見える。「ここの密度が上がってますね」と医師に言われると、ああ続けてよかったと思える。

個人輸入のときは違いました。鏡を見て「増えた気がする…いや気のせいか」の繰り返し。自分の目は自分に甘いし、同時に自分に厳しくもある。客観的な記録がないと、モチベーションは簡単に枯れます。

副作用が出たときの対応が決定的に違う

銀クリでフィナステリドとミノキシジルの内服を始めて3日目のことです。

仕事中に、急に心臓がどっくんどっくんと打ち始めました。激しい動悸。生まれて初めての感覚で、このまま気を失うんじゃないかと思った。隣の同僚に「もしかしたら気を失うかもしれない」と伝えて、机に顔を伏せました。

5分ほど呼吸を整えていたら、すーっと消えて普通に戻りました。

落ち着いてから銀クリに電話しました。すぐにスタッフが院長に確認を取ってくれて、10分後には「一旦服用を中止してください」という指示が来た。1週間ほど休薬して、その後再開。以降、同じ症状は一度も起きていません。

後にも先にもあの1回だけ。あれは何だったんだろうと今でも思います。

ただ、もしこれが個人輸入中に起きていたらどうなっていたか。自己判断で飲み続けるか、怖くなってやめるか。どちらにしても「正解」がわからない。電話1本で院長の判断を仰げたこと。あの安心感は、価格差では測れません。

動悸のエピソードの詳細は「フィナステリドとミノキシジルを4年飲み続けた50代男のリアル」に書いています。

オンライン診療で通院の手間も解消できた

最初は銀クリに毎月通院していました。片道の交通費に加えて、予約時間の前後で待ち時間もある。月に一度とはいえ、ほぼ1日仕事になります。

自分に合う薬の容量が安定して、副作用も落ち着いた段階で、オンライン診療に切り替えました。スマホで診察を受けて、薬は病院から届く。

「通院が面倒だから個人輸入」という人がいますが、今はその理由が成り立たなくなっています。オンライン診療なら自宅から一歩も出ずに、医師の処方を受けられます。

それでも個人輸入を続けるなら知っておいてほしいこと

灰色の面の上に白と青の錠剤が散らばり、そばに小さな配送箱が置かれている。通関書類風のラベルが見え、個人輸入薬の不確かさをイメージさせる。

この記事を読んでも「やっぱり個人輸入でいく」と思う人はいるかもしれません。否定はしません。でも、これだけは知っておいてほしい。

医薬品副作用被害救済制度が使えない

日本には、正規に処方された薬で重篤な副作用が出た場合に、国が医療費や障害年金を給付してくれる制度があります。

個人輸入で入手した薬は、この制度の対象外です。

つまり、万が一のときに自分の健康を守るセーフティネットが一切ない。自分の動悸のエピソードが「万が一」のレベルではなく軽症で済んだのは、単に運が良かっただけかもしれません。

医薬品副作用被害救済制度

国内で正規に処方・販売された医薬品の副作用により、入院を必要とする程度以上の重篤な健康被害が生じた場合に、医療費・障害年金等が給付される公的制度です。運営は独立行政法人 医薬品医療機器総合機構(PMDA)。

個人輸入で入手した医薬品や、国内未承認薬による健康被害は、給付の対象外となります。

偽造品のリスクは「他人事」ではない

フィナステリド(プロペシア)やED薬(バイアグラ等)は、偽造品の報告が特に多い医薬品です。

ED治療薬の偽造品に関する調査結果

2016年、製薬4社(ファイザー・バイエル・日本新薬・日本イーライリリー)がネットの個人輸入代行サイトからED治療薬を購入・分析したところ、約4割が偽造品でした。ネット購入者の約9割が「偽造品の存在は知っているが、自分が買ったものは本物」と信じていたという結果も出ています。

偽造品からは有効成分がほぼ含まれていないもの、正規品の1.5倍の含有量のもの、重金属・塗料などの不純物が混入しているものが検出されています。

出典:日本新薬プレスリリース(2016年11月)

製造現場は「工場」ですらありません。海外の報道によれば、農村部の民家でコーンスターチに有効成分を混ぜて錠剤に押し固めているような実態です。

床に吸い殻が散乱し、鶏の骨が転がっているような環境で作られた錠剤を、体に入れる。そう想像しただけで気分が悪くなりました。

過度に恐怖を煽るつもりはありません。ただ、体に取り込むものです。一時の費用を節約するために、先々の健康リスクを背負う価値があるのか。自分は「ない」と判断しました。

「安いから」で選ぶ前に、オンラインクリニックの価格を確認してほしい

個人輸入を選ぶ人の多くは「安いから」が一番の理由だと思います。自分もそうでした。

ただ、2024年以降、オンラインクリニックの価格競争がかなり進みました。フィナステリドとミノキシジルの内服セットで月2,000〜4,000円台のクリニックも出てきています。

海外製ミノキシジル15%の個人輸入が月5,000〜6,000円だったことを考えると、価格の優位性はほぼなくなっている。しかも内服の方がDHTをブロックできる分、治療効果は上。

「安いから個人輸入」という前提そのものが、今は崩れています。

まとめ:あの半年がなかったら今の自分はいない

個人輸入を全否定する気はありません。

あの半年がなかったら、「自力では限界がある」と体で理解することもなかった。AGAクリニックに行く覚悟も、たぶん決まらなかった。

最悪の1社で被害妄想が強化されたのも、今思えば必要な経験だったのかもしれません。あれがなければ「2社目以降の紳士的な対応」に感動することもなかったから。

今は毎日、安心してフィナステリドとミノキシジルを飲めています。効果がどうとか費用がどうとか以前に、「この薬は医師が処方してくれたもので、何かあったら相談できる」という安心感。それだけで十分です。

きんじろう

個人輸入を検討している人へ。気持ちはわかります。自分もそうだった。でも、一度だけクリニックの無料カウンセリングに行ってみてほしい。世界が変わります。

FAQ:よくある不安10個と回答

個人輸入に関してよく聞かれる不安を10個まとめました。自分の体験をもとに、一つずつ答えます。

>よくある不安10個と回答を見る

個人輸入は違法ですか?

個人使用目的であれば違法ではありません。ただし、第三者への譲渡や転売は薬機法違反です。「合法=安全」ではないことは理解しておいてください。

海外製ミノキシジル15%は国内の5%より効果がありますか?

濃度が高い分、効果が出やすい一方で頭皮への刺激も強くなります。自分は半年使って効果を感じましたが、同時に原因不明の湿疹も出ました。医師の管理なしで高濃度の外用薬を使うリスクは小さくありません。

個人輸入とクリニック処方で月額はどのくらい違いますか?

2024年以降、ほぼ差がなくなっています。海外製ミノキシジル15%の個人輸入が月5,000〜6,000円。オンラインクリニックのフィナステリド+ミノキシジル内服が月2,000〜8,000円。安いクリニックなら個人輸入より安い場合もあります。

副作用被害救済制度は実際に使えるものですか?

使えます。国内で正規に処方された薬による重篤な副作用に対して、医療費や障害年金等が給付される公的制度です。PMDA(医薬品医療機器総合機構)が運営しています。ただし、個人輸入の薬は対象外です。

個人輸入の薬が偽物かどうか見分ける方法はありますか?

素人には見分けられません。パッケージや錠剤の見た目を精巧に模倣した偽造品が存在するため、外見だけでは判断できないのが実情です。だから怖いんです。

AGAクリニックの無料カウンセリングで契約を迫られませんか?

10社以上回った経験から言うと、1社を除き契約を迫られたことはありません。「今日は話を聞くだけ」と伝えれば、普通に帰れます。最初に行った1社が最悪だっただけで、それ以外は全部紳士的でした。

オンラインクリニックでも個人輸入と同じ薬が処方されますか?

フィナステリド・ミノキシジルという成分自体は同じです。違うのは品質管理と医師の処方があること。どのメーカーの薬を使っているか、製造ロットの管理がされているか。クリニック処方にはその透明性があります。

個人輸入で初期脱毛が起きたらどうすればいいですか?

自分で判断するしかありません。初期脱毛は薬が効いている証拠とも言われますが、異常な脱毛との区別は素人にはつきにくい。医師がいれば「これは正常な反応です」と確認してもらえます。自分は個人輸入中の初期脱毛を、ネット情報だけを頼りに乗り切りました。あの不安は二度と味わいたくない。

個人輸入からクリニック処方に切り替えるとき、医師に正直に言うべきですか?

言うべきです。何をどのくらいの期間使っていたかを正確に伝えないと、医師は正確な治療計画を立てられません。個人輸入歴を隠すメリットはゼロ。自分は正直に伝えましたが、怒られたことは一度もありません。

個人輸入をやめたら抜け毛が増えますか?

同じ成分の薬に切り替えるなら、基本的に効果は維持されます。自分の場合はミノキシジル外用から内服に変わりましたが、抜け毛が増えるどころか、フィナステリドの内服が加わった分、むしろ改善しました。切り替え時の不安は医師に相談すれば解消できます。

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